医者が2030年にサイドFIREするブログ(2022年度から日曜更新)

2022年度の目標:資産全体 2,130万円、現金 1,040万円、株式 1,090万円

【第34回】「お金か人生か」を読んで

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サイドFIREのために必要なエッセンスが詰まっている!

こんにちは、Dr. KKです。

今回はFIRE関連の書籍の紹介をしたいと思います。

 

(1)基本情報

本書は元祖FIRE本として大変有名な書籍であり、原書は100万部以上の大ヒットセラーを記録しています。初版は1992年です。

つまり、この頃からアメリカではFIREについての一種のムーブメントが始まっていたということです。

我々もこの頃から投資など始めていれば…と思いますが、とにかく追いつけ追い越せの精神で頑張っていきましょう!

 

著者はヴィッキー・ロビンとジョー・ドミンゲスの2人です。

ヴィッキー・ロビンは大学卒業後に映画業界で働いたのち、ジョー・ドミンゲスに出会ったそうです。

1984年、ニューロードマップ財団を立ち上げ、消費削減と持続可能な社会の実現を目指した活動を開始しました。

1992年に『Your Money or Your Life(お金か人生か)』を出版後、FIREが全米で注目されるようになったそうです。

 

一方、ジョー・ドミンゲスは貧しい環境で育ちましたが、ウォール街で10年間働いて資産をつくり、1969年にセミリタイアしたそうです。

リタイア後はボランティア活動を行い、講演等の収益はすべて寄付していたそうです。

ヴィッキー・ロビンとともに『Your Money or Your Life』を執筆すると、大ベストセラーになりました。

1997年、がんを患いお亡くなりになっています(享年58)。

 

(2)要旨

本書では、お金こそ生命エネルギー(=人生)そのものであると自覚する事が重要と唱えています。

自分が本当に必要としている人や物に優先してお金を費やす事が、幸せなFIRE生活を送るポイントとのことです。

 

そのために、本書では「お金とは何か?」や「いくら使えば幸福か?」など人生観について考えさせられる内容を詳細に語ってくれています

 

(3)我々は人生(時間)を犠牲にしてお金を稼いでいる

① 目次

まずはいつも通り目次を見てみましょう。

第1章 お金という罠:時代遅れのロードマップ
 →過去に折り合いをつける
第2章 お金の概念は変わった
 →現状把握:生命エネルギーの使い道を調べる
第3章 いったい何に使っているの?
 →毎月の支出表
第4章 いくら使えば十分?:幸福を追い求める
 →あなたの人生を根本から変える3つの質問
第5章 目に触れられるようにする
 →生命エネルギーを可視化する
第6章 少額の資本でアメリカンドリームを
 →生命エネルギーを大切にする:支出の最小化
第7章 好きだから? お金が欲しいから?:生命エネルギーを大切にする
 →生命エネルギーを大切にする:収入の最大化
第8章 着火:収入と支出のクロスオーバー・ポイント
 →資本とクロスオーバー・ポイント
第9章 どこにお金を投資する?
 →経済的自立に到達した後の投資

 

全9章から成っていますが、大きく分けると3つの内容として解釈できます。

 

② 1つ目:お金を時間換算する

まず、本書では

お金は自身の人生(時間)との交換によって生み出されている

ことを認識する事が重要である、としています。

 

そして、具体的に自分はいくらのお金とどのくらいの時間を交換しているのかを計算することで、

少ない金額のために、どれだけの時間を費やし続けているか

に気がつくかと思います。

 

例えば、通勤時間や通勤代、仕事着や仕事時の食費などを細かく計算してみることで、実際に自分のために費やせるお金の少なさに驚かされるでしょう。

 

ここまでが第1章〜第3章に該当します。

 

③ 2つ目:お金の正しい使い方を知る

そこで、それぞれの費用について、グラフを作成しながら細かく見ていき、

本当に満足のいく支出なのか?

自分の価値観や人生(時間)に見合った支出なのか?

働くためだけに費やしている支出ではないのか?

と自分に問うてみることで、

自分にとって何が一番大切で、現在は何に人生を費やしているのか?

ということを考えていきます。

 

本当に正しいお金の使い方をしている人はなかなかいないかと思います。

この時の「正しいお金の使い方」とは自分の価値観における正しさです。

 

「本当に仕事をし続けることが自分の価値観における正しさなのか?」

「自分は何にいくらお金を使うと幸せを感じられるのか?」

といった根本的な課題を見つめ直す良い機会です

 

ここまでが第4章〜第5章に該当します。

 

④ 3つ目:経済的自由を獲得する

最後はFIREの書籍で定番の内容書かれています。

支出をなるべく削減する

収入を増やす方法を模索する

貯蓄を投資(投資信託、不動産など)に回す

 

資産所得と支出が交わった時に経済的自立が達成されます

資産所得と支出をグラフ化し、その交点を本書では「クロスオーバー・ポイント」と呼んでいます。

 

ここまでが第6章〜第9章に該当します。

 

(4)感想:予想投資リターンと貯蓄率の関係

いかがでしたか?

この考え方を1992年に持っていたというのが驚きです。

まさに、現在のFIREの原点と言えるでしょう。

 

ここで、モチベーションが高まるグラフを提示します。

以下のグラフは、期待できる投資リターンと貯蓄率を考えると、自分が何年後にFIREできるのかある程度把握できるものになっています。

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貯蓄率50%、投資リターン5%=17〜18年でFIRE達成!

一応、僕は投資リターン5%で考えているため、5%のグラフを赤線にさせてもらいました。

この場合、

貯蓄率30%=約27〜8年

貯蓄率40%=約21〜22年

貯蓄率50%=約17〜18年

でFIRE達成できる事がわかります。

 

FIRE到達時の半分の資産でサイドFIRE達成と考えると、単純計算ではありますが、10年でサイドFIREするには40〜50%程度の貯蓄率は維持する必要がありそうです。

これはなかなか厳しいですね…。

 

ただ、この本を読むと、

やっぱり、仕事はあくまで人生の一場面に過ぎない…

という思いが強くなりました。

 

引き続き、サイドFIREに向けて頑張っていこうと思います。