【第22回】Think clearlyを読んで
こんにちは、Dr. KKです。
今回は先日読んで興味深かった書籍を深堀りしつつご紹介したいと思います。
(1)基本情報
著者のロルフ・ドベリさんは実業家で、スイス航空の子会社数社で最高責任者を歴任後、ビジネス書籍の要約を提供するオンライン・ライブラリー「get abstract」を設立しました。
その後、科学、芸術、経済における指導的立場にある人々のためのコミュニティー「WORLD .MINDS」を創設し、35歳からは執筆活動を始めました。
非常に濃密な人生を歩まれた方なのですが、どうすれば著者のようにより良く人生を送れるようになるのでしょうか?
筆者はその秘訣として「Think Clearly」という概念を提唱しており、本書は20万部以上のベストセラーになっています。
(2)要旨
本書は、僕たち一般人が実現可能なより良い人生の送り方を52項目に基づいて説明されています。
「自分の存在意義を見出すのは、より良い人生となった後でいい」と考えて今この一瞬を一生懸命生きる事が重要であり、存在意義を見出せた頃には人生の充実ぶりを実感し、既により良い人生が送れていると思います。
(3)人生の取捨選択
まずは本書に載っている52項目を見ていきましょう。
1 考えるより、行動しよう
2 なんでも柔軟に修正しよう
3 大事な決断をするときは十分に選択肢を検討しよう
4 支払いを先にしよう
5 簡単に頼み事に応じるのはやめよう
6 戦略的に「頑固」になろう
7 好ましくない現実こそ受け入れよう
9 幸せを台無しにするような要因を取り除こう
10 謙虚さを心がけよう
11 自分の感情に従うのはやめよう
12 本音を出しすぎないようにしよう
13 ものごとを全体的にとらえよう
14 買い物は控えめにしよう
15 貯蓄をしよう
16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう
17 静かな生活を大事にしよう
18 天職を追い求めるのはやめよう
19 SNSの評価から離れよう
20 自分の波長の合う相手を選ぼう
21 目標を立てよう
22 思い出作りよりも、いまを大切にしよう
23 「現在」を楽しもう
24 本当の自分を知ろう
25 死よりも、人生について考えよう
26 楽しさとやりがいの両方を目指そう
27 自分のポリシーをつらぬこう
28 自分を守ろう
29 そそられるオファーが来たときの判断を誤らない
30 不要な心配ごとを避けよう
31 性急に意見を述べるのはやめよう
32 「精神的な砦」を持とう
33 嫉妬を上手にコントロールしよう
34 解決よりも、予防しよう
35 世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう
36 注意の向け方を考えよう
37 読書の仕方を変えてみよう
38 自分の頭で考えよう
39 「心の引き算」をしよう
40 相手の立場になってみよう
41 自己憐憫に浸るのはやめよう
42 世界の不公正さを受け入れよう
43 形だけを模倣するのはやめよう
44 専門分野を持とう
45 軍拡競争に気をつけよう
46 組織に属さない人たちと交流を持とう
47 期待を管理しよう
48 本当に価値のあるものを見きわめよう
49 自分を重要視しすぎないようにしよう
50 世界を変えるという幻想を捨てよう
51 自分の人生に集中しよう
52 内なる成功を目指そう
この中で医師のサイドFIREに関係しそうな4項目について考察しようと思います。
※なお、「14 買い物は控えめにしよう」や「15 貯蓄をしよう」といった明らかなものは除いています。
① 考えるより、行動しよう
1つ目は最初の項目を選びました。これは元々僕もモットーとしている部分で、
「損するかもしれないけど、それも人生経験と思ってとりあえずやってみる」
という気持ちで生きています。
今まで色々なミスをしてきましたが、まだミスが許される年齢だと思っています。
もちろん既に所帯があり、なかなか自分勝手に動ける状況ではなくなってきていますが、それでもブログを始めてみたり、それこそサイドFIREに向けて動いてみたり、まずは実際にやってみてから考えれば良いかなと思っています。
向いてなかったらいつでもやめられますが、始めてみないと向いているかどうかも分からないと思います。
② 簡単に頼み事に応じるのはやめよう
2つ目は頼み事をむやみに引き受けない、という事です。
本書で最重要課題に位置付けているのは「仕事の取捨選択」です。
効率よく仕事をこなすためには、自分の制御範囲内の仕事量にコントロールすることが大事です。
そもそも、人の頼み事を簡単に引き受けてしまう原因は承認欲求です。
「断ったら、仕事ができないと思われるかもしれない」
「断ったら、上司に嫌われてしまうかもしれない」
「断ったら、2度と仕事を回してもらえないかもしれない」
など、自分の中で色々と考えてしまい、結局は
「自分が引き受ければ、面倒な事にならないか、じゃあ仕方ない…」
と考え、損な役回りを引き受けてしまっていると思います。
しかし、周囲の人も自分の人生を生きるので精一杯なので、誰かが損な役回りを引き受けようと、適宜仕事を取捨選択していようと、周囲からの評価は殆ど変わらないので、実は損な役回りはなるべく避けるべきなのです。
仕事の取捨選択を行う秘訣は「取捨選択のルールを予め決めておく」です。
つまり、「何らかの境界を決めて、中をYES、外をNOとする」という事です。
・少しでも微妙な条件ならNOと言う
・自身のキャパシティーを少しでも超えている仕事ならNOと言う
など、明確なルールを決めておきましょう。
これは、他のベストセラー書籍にも書かれています。
この書籍でも、取捨選択の秘訣として「勇気ある拒否」を推しています。
なぜこの項目をピックアップしたかというと、サイドFIREする上で必ず必要となるのが「転職」です。
つまり、現職を辞める手続きが必要という事です。
辞める際には、周囲から色々と引き留められるかと思います。
医師がサイドFIREする際の最大の障壁は転職時です。
「辞めたら、嫌われるかもしれない」
「辞めなかったら、周囲との人間関係で面倒な事にならない」
と考えて、結局辞められない先生が沢山いらっしゃいます。
しかし、自分の人生を豊かにするための転職です。
人の目を気にして損な役回りを引き受けても、周囲はそこまで感謝してくれません。
自分自身の評価はそこまで変わりません。
承認欲求を捨て、勇気ある拒否をしましょう!
③ 静かな生活を大事にしよう
3つ目は僕がサイドFIREを目指す上で目標としている項目です。
これは豊かな人生とする上で、最も重要な事だと思います。
どんなに仕事が充実しても私生活でゆっくりできなければ、仕事のパフォーマンスに影響してきますし、何もせずにゆっくり過ごせる生活こそが最高の贅沢だと思います。
しかし、私生活でリラックスできる環境を作るのは非常に難しく、家族の協力が必要になってきます。
子供が小さい時は静かな生活とは無縁ですし、休日はいつも何かしていないと気が済まないようなパートナーだと、気持ちが休まる事がありません。
アラームをつけず、目が覚めた時に起床。
コーヒー片手に朝のニュースを確認。
身支度後に、今日やりたい事を決定。
読書や映画鑑賞など、自宅に閉じこもって楽しむも良し。外出先で楽しむも良し。
買い物や運動を行うも良し。
夕方まで自由に過ごして、帰宅後夕飯の準備。
夕食、入浴が済んだら、自室で読書しながらゆっくり過ごし、就寝。
なんて贅沢な1日でしょう。
こうした人生の充実のさせ方も悪くはないかと思います。
静かな人生のために、やっぱり僕は2030年までにサイドFIREしたいと思います。
そのための準備を現在頑張っています。
④ 組織に属さない人たちと交流を持とう
4つ目は医療業界全体で重要な項目かと思います。
我々の業界は本当に狭い…。狭すぎます。
近くの友人を思い浮かべてください。殆ど同業者ではありませんか?
僕は色々な趣味を持っていますが、趣味を持つ最大のメリットは「異業者との交流ができる事」だと思います。
趣味でフットサルをしていますが、地元の社会人チームに所属しており、地元の企業の社員もいますし、教師や高校生、親子で参加している方もいらっしゃいます。
異業者との交流で、初めて医療者に対する一般的なイメージを知りましたし、患者さんの立場として「医者に何を求めているのか?」などを聞けたりする貴重な機会です。
医師として生きていくだけが人生ではありません。
驚く所に自分に向いている仕事が転がっているかもしれません。
色々な経験をするためにも、是非異業者と交流できる環境を探してみましょう!
(4)感想
いかがでしたか?
・背伸びをせず、自分の出来る範囲内で今を精一杯生きていくこと。
・仕事だけでなく、あらゆる方向に目を向けて生きていくこと。
一見遠回りのように見えて、結局はこうした積み重ねが効率の良い人生の送り方になるようです。