【第33回】今季前半のレアル・マドリードについて考える
こんにちは、Dr. KKです。
今回は僕の趣味であるレアル・マドリードの今季前半について好き勝手語ってみようと思います。
あくまで趣味の範囲内で語りますので、軽い気持ちでご覧になって頂けると幸いです。
※前回記述したレアル・マドリードの記事もよかったらご覧下さい。
(1)今季前半の現状
まずは、今季前半の結果をお示ししようと思います。
① リーガ・エスパニョーラ
まずはリーグ戦から見ていきましょう。
1位:14勝1敗4分 勝ち点46 得失点差+25
前半戦だけで、2位セビージャと勝ち点8の差をつける好スタートを切ることが出来ました。
ライバルであるFCバルセロナやアトレティコ・マドリードにも勝利しており、現在リーガでは無双状態となっています。
得点ランキングでもFWカリム・ベンゼマが15得点とぶっちぎりの1位で、FWヴィニシウス・ジュニオールも10得点で3位、FWマルコ・アセンシオも5得点で15位タイにつけています。
昨季よりも得点力が格段に上昇しており、得点数はぶっちぎりの1位(41得点、2位はベティスの32得点)を記録しています。
さらに守備力も格段に上昇しており、失点数も2位(16失点、1位はセビージャの13失点)と好成績を収めています。
全く文句のつけようがない前半戦でした。
最近チーム内でコロナウイルス陽性となった選手が増えつつあり、限られた選手での試合を強いられる可能性があります。
順調にいけば、このまま優勝できる可能性が高いシーズンのため、怪我だけないように祈っています。
② チャンピオンズリーグ(グループステージ)
次にUEFA Champions League(CL)のグループステージの結果を見てみましょう。
1位通過 5勝1敗 勝ち点15 得失点差+11
グループリーグはインテル(イタリア)、シェリフ(モルドバ)、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)との組み合わせとなりました。
2試合目のシェリフ戦では1-2で足元をすくわれましたが、その他は全勝し、結果的には1位通過を果たせました。
特に、2位通過のインテル戦はかなりハードな2試合でしたが、いずれもクリーンシートで抑える試合巧者ぶりを見せつけました。
得失点差で見ても+11と高い成績を収めました。グループE1位通過のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の+19、グループC1位通過のアヤックス(オランダ)に次いで3番目の好成績でした。
③ 決勝トーナメントの抽選疑惑
また、決勝トーナメント1回戦はパリ・サン・ジェルマン(PSG、フランス)に決定しました。
実は今回の決勝トーナメントの抽選会でとある事件が起こりました。
決勝トーナメントの抽選では色んなルールが存在しています。
例えば、
①同一リーグのチーム同士が当たらない様にする
②同一グループから進出したチーム同士が当たらない様にする
などがあります。
しかし今回、どうやらUEFAの手違いとのことですが、抽選途中で当たるはずのないチーム同士が1回戦で当たることになってしまいました。
そのため、抽選途中で中止となり、再抽選を行う事となりました。
この結果、誤った抽選結果となる前に正しく抽選されたはずのレアル・マドリードも再抽選扱いとなり、ベンフィカ(ポルトガル)との対戦からPSGとの対戦へ変更となりました。
ここからは完全に僕の偏見なのですが、この再抽選は仕組まれたものだと思います。
というのも、今季開始前にUEFAとレアル・マドリードはスーパーリーグ構想で揉めていました。
CLの収益についてUEFAの取り分が大きく、各チームの取り分が少ない状況となっています。
また、試合数が増加傾向であり、選手たちの負担がかなり大きくなってきています。
そのため、レアル・マドリード、バルセロナ、ユベントス(イタリア)を筆頭にUEFAが関与しないスーパーリーグを立ち上げようとしていました。
当然UEFAはスーパーリーグ構想に反発し、参加を表明していたチームに圧力をかけて、次々とスーパーリーグ構想から脱退しました。
また、構想に加担しているチームを制裁すべく、今季のCLの参加拒否しようとしていましたが、どうにか参加することとなりました。
現在、UEFAには中東のオイルマネーが大量に流入しており、中東の企業がオーナーをしているチームと親密な関係となっています。
特に、マンチェスター・シティ(イングランド)やPSGとの関係が強く、チームの収益を度外視した大型補強に目を瞑っている状況が続いています。
そのため、今回の決勝トーナメントの抽選でシティやPSGとの対戦となるだろう、と勝手に思っていました。
シティは1位通過で、PSGは2位通過のため、
「もしかしたらPSGとぶつけられるかな?」と予想していました。
ベンフィカとの試合が決まったため、
「さすがに思い違いか…」
と思っていましたが、まさかこんな強引に対戦相手を変更してくるとは思いませんでした(笑)
まあとは言え、これでレアル・マドリードがPSGを倒してしまえば、UEFAの顔に泥を塗ることができるので、決勝トーナメントには期待しています。
(2)今季好調である理由
今季レアル・マドリードは非常に安定した試合展開が多いのですが、その理由として大きく3点が挙げられると思います。
① カルロ・アンチェロッティ監督の再就任
1つ目はやはりアンチェロッティ監督の再就任でしょう。
2013年から2シーズンの間レアル・マドリードを指揮した事があるアンチェロッティ監督ですが、2013/14シーズンにはCL制覇を成し遂げています。
今季のCLはバイエルンやプレミア勢が優勝候補として挙がっていますが、現在のレアル・マドリードの攻守のバランスを考えると、CL優勝も狙えるのではないかと期待してしまいます。
リーグとCLの2冠となると、ジダンが監督だった2016/17以来の快挙となるので、それを目指して欲しいですね!
アンチェロッティ監督が起用している作戦はレアルの伝統的なカウンターサッカーです。
現代サッカーの流行としては、ボールを奪われたら前からどんどんプレスをかけて、高い位置でボールを奪い返してショートカウンターを繰り出し、手数を少なくしてシュートまで繋げるというチームが多いです。
プレミア勢はほとんどのチームがその攻撃パターンを敷いていると思います。
しかし、現在のレアル・マドリードはボールを奪われた後は、すぐにしっかりと後ろで陣形を組んで、相手の攻撃を受け止める、いわば横綱相撲のような守備体系を起用しています。
普通、後ろの方でボールを奪ったとしても、なかなか前へ有効なパスが供給できずに、中盤あたりでボールを奪い返される事が多いのですが、そこはさすがレアルの選手たちのクオリティが高いため、ほとんどワンタッチで相手のプレッシャーをかいくぐり、前線へボールを繋ぐことが出来ています。
特に、中盤のトニ・クロース、ルカ・モドリッチ、カゼミーロの3枚は抜群の安定感が見られます。
レアルのロングカウンターが高い確率で成功するのは、やはりこの3人のおかげだと思います。
また今年はセンターバック(CB)のエデル・ミリトンとダヴィド・アラバからの一本のロングパスからヴィニシウスやベンゼマが抜け出すシーンも度々見られるなど、これまでの試合では見られなかった攻撃パターンも見られる様になっています。
② ヴィニシウス・ジュニオールの覚醒
躍進を支える理由の2つ目はもちろんヴィニシウス・ジュニオールの覚醒だと思います。
エースのベンゼマとのコンビネーションも抜群で、今季は決定力だけでなくアシストの数も増えています。
昨季まではドリブルに固執するあまり、むしろチームのゴールチャンスを妨げていた部分も見られましたが、今季はパスの喜びを見つけたかのように、絶妙なラストパスを供給する姿も見られる様になっています。
後述しますが、来季にはキリアン・エンバペがPSGから加入することがほぼ内定していますので、彼とのコンビネーションでレアルお得意のカウンターを炸裂させて欲しいです!
③ CBが予想外の安定ぶり
3つ目として挙げたいのは、アラバとミリトンという新しいCBのコンビネーションでしょう。
昨季までセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランという世界最高レベルのCBが2枚もいましたが、オフシーズンに両方とも退団しました。
代わりにバイエルンからアラバが新たに加入し、昨季後半から出場機会を得ていたミリトンと新しいコンビを組むこととなりました。
シーズン前はまだ若いミリトンと、CBが本職ではないアラバのコンビがどこまで機能するか不安ではありましたが、実際に試合を見ていくうちに、この2人の足元の上手さが攻守ともに機能することが判明しました。
CBが他にナチョとバジェホしかいないため、もう一枚なんとか補強したい所ですが、それでもミリトンとアラバの2人が怪我しなければ、かなり強固な守備陣系を組めると思います。
当然、一番後ろにはGKティボー・クルトワもいます。
(3)移籍情報
ここからは来季移籍加入の噂がある選手を人ピックアップしようと思います。
加入の可能性も独断と偏見でつけていこうと思います。
① キリアン・エンバペ(PSG):加入確率 99%
1人目はもちろんこの人でしょう。
エンバペはジダンやレアル・マドリードへの憧れを公言しており、今季直前に加入するはずでしたが、PSGのオーナーが移籍を阻止した形になり、来季夏にフリーで加入することが内定しています。
エンバペといえば、17歳でモナコのリーグ・アン優勝に貢献、翌シーズンのCLでモナコをベスト4まで進出させ、2018年のW杯優勝するなど、若くしてスーパースターの道を歩んできた選手です。
今季直前には1億8000万ユーロ(約230億円)のビッグオファーがレアル・マドリードから来ましたが、PSGのナセル・アル・ケライフィ会長(総資産はなんと約8,500億円!)がオファーを拒否したため、来夏フリーでの移籍が濃厚となりました。
このような因縁の関係でもあることから、レアル・マドリードとPSGのCL戦は非常に楽しみです!
② アーリング・ブラウト・ハーランド(ドルトムント):加入確率 40%
2人目はドルトムントのハーランドでしょう!
ハーランドもエンバペと同様に、若くして驚くべき得点能力を示しています。
194 cmと超大型FWでありながら、最高時速36 kmというとんでもないスピードも兼ね揃えています。
また、左足から繰り出されるとんでもないシュート力で、10代からとてつもない決定力を見せつけています。
なお、2019年のU-20W杯のホンジュラス戦では、1試合での最多得点(13得点)という脅威の記録を残しています。
ザルツブルグに移籍後も大活躍し、日本代表の南野拓実、韓国代表のファン・ヒチャンとともにCLで、前回大会優勝チームのリバプールと死闘を繰り広げ、この試合後から世界に3人が羽ばたいていきました!
ドルトムント加入後も、CLにおいて史上最速で15得点を決めるなど、順調な成長を遂げています。
ハーランドについてはレアル・マドリードも熱い視線を送っており、来夏の獲得を画策しています。
経済力とブランド力を加味すると、現在移籍が有力視されているのはレアル・マドリードとマンチェスター・シティの2つとされています。
ただ、僕の予想としては
「来季1年間ドルトムントと契約延長するのでは?」
と思っています。
理由として、来夏にエンバペが加入すること、そしてベンゼマが再来夏に地元リールに戻るとされていることが挙げられます。
将来的にはエンバペ、ハーランド、ヴィニシウスという最強トリデンテを並べる事がレアル・マドリードの野望です。
ドルトムントとレアル・マドリードは長年親密な関係を気づいており、
「ドルトムントは選手が移籍する前にレアルへ連絡する」
という暗黙の了解があるとされています。
ここ最近は銀河系軍団のような大型補強は敢行していないため、再来夏のトリデンテ完成が待ち遠しいです。
③ アントニオ・リュディガー(チェルシー):加入確率 30%
3人目はリュディガーを挙げたいと思います。
最近のレアル・マドリードは多額の移籍金を払う事なく、契約満了によるフリーでの選手獲得を目指しています。
リュディガーは来夏にチェルシーとの契約が満了となります。
本人も移籍を考えており、このタイミングでレアル・マドリードが獲得を目指している様です。
リュディガーはチェルシーの昨季CL制覇に大きく貢献しました。
190 cm、85 kgという大きな身体で、空中戦にとても強いCBです。
先述の通り、CBが一枚足りないレアル・マドリードとしてはワールドクラスのいCBとしてリュディガーは最適解でしょう。
ただ、すでに28歳であること、高いサラリーが必要になることから、積極的に動いている様子はみられていません。
以上、現在のレアル・マドリード情勢でした!
今季の結果も重要ですが、今後10年間のレアル・マドリードはもっと期待しています。