【第31回】「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」を読んで
こんにちは、Dr. KKです。
今回は先日読んで興味深かった書籍を深堀りしつつご紹介したいと思います。
(1)基本情報
著者はジェイエル・コリンズというファイナンシャル・ブロガーです。
1975年から投資を行っているそうで、何度も転職する中で収入の範囲内で生活するようになり、気がつけば夫婦どちらも働かなくても暮らせるようになっていたそうです。
いわゆるFIREの状態ですね。
これまで、色々な本を紹介してきましたが、かなり類似した内容が書かれています。
僕の資産運用を支持してくれる内容が多く、今後も自信を持って資産運用していこうと思えました。
(2)要旨
本書は筆者から10代の娘への手紙を書籍化したものです。
内容はシンプルで、以下の3点に従って投資を実践し、これだけで経済的自由を手に入れたそうです。
・収入の半分を投資する。
・借金をしない。
・インデックスファンドに投資する。
複雑な世界を生き抜くために、お金を理解することは最重要事項であり、金融リテラシーを身に付ける事で、より幸せな人生を歩むことができます。
大学生や新社会人、また小さなお子様がいる方にオススメで、
「投資は実はシンプルである」
いうことが分かる内容になっています。
(3)子供にも金融教育が重要
① 目次
まずは目次を見てみましょう。
① 借入金は、負ってはいけない重荷
② 「会社に縛られないお金」が必要な理由
③ 誰もが大金持ちになって引退できるか
④ お金についての考え方
⑤ 急激な上げ相場(あるいは下げ相場)での投資
⑥ 大暴落がやってくる :有名な経済学者でも助けられない
⑦ 市場はいつも上昇する
⑧ なぜ市場でお金を失う人が多いのか
⑨ とんでもない出来事
⑩ あくまでもシンプルにいく:考え方と商品
⑪ インデックスファンドはやる気のない人のためのもの?
⑫ 債券について
⑬ 資産を築いて維持するポートフォリオの考え方
⑭ 資産の配分を考える
⑮ 国際的なファンド
⑯ あらゆる人々にとって最もシンプルな投資方法
⑰ バンガードの商品を買えない場合
⑱ バンガードとはいったいなんなのか
⑲ ケーススタディ:最もシンプルな投資の実践
⑳ 投資アドバイザーを好まない理由
㉑ ジャック・ボーグルとインデックスファンドに対するバッシング
㉒ 株式銘柄をうまく選択できない理由
㉓ ドルコスト平均法を好まない理由
㉔ マーケットの権威になってテレビに出演する方法
㉕ あなたも騙されるかもしれない
㉖ 引き出す比率 : 結局、いくら使えるか
㉗ 大富豪のように寄付をする
㉘ 子供に示した道 : 最初の10年間
㉙ 南太平洋のお話
㉚ 最後にリスクについて
初っ端から
「借金が最も禁忌な行為」
ということを伝えています。
やはり経済的自由を手に入れるためには、複利を味方につける必要がありますが、借金は複利を敵に回す行為なので、最も行うべきではない行為とのことです。
ただ、これまでの記事にも書きましたが、僕の意見としては
「住宅ローンは利用してもいい借金」
だと思っています。
控除制度もありますし、利率もかなり低いですしね!
② 収支のコツ
本書では、収入と支出に対するガイドラインが明記されています。
【「収入」と「支出」に関するガイドライン】
・収入を稼ぎに使っているのは、お金の奴隷でしかない・お金で買えるものよりも貴重なものは自由であること
・収入の半分は投資に回す。借金をしていなければ十分可能
・収入の多くを貯蓄に回すことで、控えめに暮らす方法も身につく
このガイドラインの内容は、FIREの条件である
「資産運用>生活費」
を目指すための基本的な指針と言えます。
③ 投資のコツ
また、投資に関するガイドラインも明記されています。
【「投資」に関するガイドライン】
・投資額の4%で1年を暮らせれば、経済的自立できる。・投資アドバイザーは近づけない。
・健全な投資は複雑ではない。
・節約してより多く投資する。
・株式市場は投資する有力な市場。下がったら買い増す。
・下がった時に買うことはとても難しい。
・先のことは誰にもわからない。
本書にも4%ルールが記されています。
その他にも、
「ネット証券を利用することで手数料を極力抑え、節約して多くの資金を投資に回し、市場の動きに惑わされることなく、淡々と買い増していく。」
これらも、これまで記事にしてきた書籍でも記されていた内容ですね!
また著者が勧めている投資先としては、バンガード トータルストック マーケット インデックスファンド(VTI)といった「インデックス投資で長期運用」という至ってオーソドックスなものを挙げています。
※VTIは投資信託でいうと、楽天・全米株式インデックスファンドです。
そして、ポートフォリオとしては
「75%株式、20%債券、5%預金」
としています。
例えば、全資産が2億円(4%=年800万円を想定)の場合、
・株式:1.5億円
・債券:4,000万円
・現金:1,000万円
となります。
んー、個人的には若干ですが、債券の割合が多いようにも見えます。
・株式:1.6億円(80%)
・債券:2,000万円(10%)
・現金:2,000万円(10%)
くらいが僕の理想です。
(現金主義の妻もあまりに現金が少なすぎると、ピリピリしそうです…)
④ ドルコスト平均法の否定
本書の中で、これまでに紹介した内容とは異なるものとして、著者がドルコスト平均法への否定的です。
否定的な理由は以下の通りです。
・ドルコスト平均法は下落時のみ有利になる。下落する可能性は23%以下。
・77%の確率で市場は上昇する。運用期間が長い程、利益が期待できる。
・分割でのコストがかかる。
・資産配分が崩れやすい。
・長期投資では購入コストがかかり、短期投資では意味がない。
やはり、複利をできるだけ長期間効かせるために、積み立てることなく一気にインデックス投資へ投入する方が、長期的には利益につながるということでしょう。
とはいえ、一気に資産運用することには、かなり抵抗がある方も多いと思うので、ここはそれぞれの好みかと思います。
個人的には、定額積み立てではありますが、余剰金の大部分は投資に回している状況なので、現状維持でいこうと思います。
(4)感想
いかがでしたか?
割とこれまでの記事と同様の内容が多かったので、一気に読むことができました。
以前の記事にあったように、厚切りジェイソンも子供への金融教育は重要であると言っています。
子供への教育は自分の勉強にもなるため、皆さんもぜひお子様への金融教育を行ってみて下さい。