医者が2030年にサイドFIREするブログ(2022年度から日曜更新)

2022年度の目標:資産全体 2,130万円、現金 1,040万円、株式 1,090万円

【第24回】iDeCoについて基本から解説!

こんにちは、Dr. KKです。

以前の記事でNISAについてご紹介しました。

dr-fire.hatenablog.jp

 

今回はiDeCoについて色々勉強したので、ご紹介致します。

www.ideco-koushiki.jp

(1)iDeCoとは?

individual-type Defined Contribution pension plan(個人型確定拠出年金)の略で、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。

国民全員が加入している公的年金とは異なり任意加入なので、20歳以上60歳未満で加入したい人だけ加入する制度です。

iDeCoもNISAと同じく国を挙げて策定した制度なので、NISAと同じくやはり税制優遇は優秀です。

 

(2)国民年金とは何が違うのか?

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iDeCoはあくまで資産運用、国民年金は一定額の給付

上図でiDeCo国民年金の違いを比較されています。

まず、国民年金は勤務医であれば、大抵の人が給料から天引きされているのではないでしょうか?

 

一方で、iDeCoは掛金が自由に設定できます

勤務医なら月2.3万円(年27.6万円)、開業医なら月6.8万円(年81.6万円)を上限に設定できます。(企業型確定拠出年金の加入者は掛金が異なります)

サイドFIREを目指している僕は引退まで勤務医の予定ですが、サイドFIRE後に個人事業主として別のビジネスを始めた際は月6.8万円を回そうと思います。

 

もう一つ国民年金との大きな違いは、あくまで自分自身で資産運用していく制度という事です。

そのため、家族や知人と同額のiDeCo掛金であっても、何の商品に掛けていくかによって、60歳以降に受け取れる金額が異なる可能性があります。

 

(3)iDeCoはどうオトクなのか?

簡単に言うと、NISAと同様に様々な控除・非課税が受けられるので、やはり高収入である医師にとってはメリットの部分が大きいと思います。

具体的には、以下の3つのオトク要素があります。

 

① 掛金が毎年全額所得控除になる

まず、掛金が全額所得控除になるので、医師は上限MAXで掛けるのがデフォルトだと思います。

個人事業主であれば81.6万円も控除になるのは、非常にオトクな制度です。

※ちなみにiDeCoは年間の掛金を一括支払いすることもOKになっています。

 

② 運用益は全額非課税になる

次に、運用益が全額非課税になるのですが、これはNISAと同様の制度ですね。

通常、資産運用益は20.315%の税金がかかりますが、これも非課税なので全額を再投資に回せます

 

③ 受け取り時の大きな控除がある

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制度開始後まもないが、現時点では一時金として受け取る人が最多とのこと

3つ目は受け取る際の控除です。

60歳以降、毎年年金として受け取るのもアリですが、一時金として一気に引き出す事もできます。

どちらの場合であっても控除が受けられるため、やはり優秀な制度と言えるでしょう。

 

一時金として受け取る場合は退職所得控除が利用できますが、控除額は加入後の年数によって異なります

・20年以下=40万円×年数(万円)

・20年以上=80万円+70万円×(年数-20)(万円)

 

仮に60歳まで30年間掛金を運用した場合、退職所得控除金額は1,500万円になります。

30年間勤務医の場合、最大掛金は828万円なので、仮に倍増した場合は1,656万円です。

控除されない156万円にのみ20.42%の退職金所得税がかかるため、受け取れる額は約1,624万円になります。

 

つまり30年後に倍増していれば、その時点で「老後2,000万円問題」は殆ど解決します(笑)

NISAの記事でも書きましたが、老後2,000万円問題は信頼できる資産運用をしていれば大抵クリアできる壁なのですが、如何せん政府に対する不信感が強いため、メディアの「老後資金は2,000万円を自己責任で何とかしろ」という歪曲したメッセージが伝わってしまったのです。

 

(4)iDeCoのデメリットも知っておくべき

非常に優秀な制度ですが、一応不都合な部分も把握しておいた方が良いです。

具体的には、以下の3つの不確定要素があります。

 

① 60歳まで掛金は原則引き出せない

国民年金と同様に、基本的には60歳までは引き出せません。

なので、通常の資産運用とは異なり、掛金の自由度は低いです。

国民に「老後資金を自分たちで準備しておいて欲しい」と考えている政府だからこそ、あえて引き出せないようにしているのでしょう。

一応、「病気や怪我によって障害を負った場合」や「死亡した場合」などの例外はあります

 

② 元本割れのリスクがある

国民年金と異なり、原則として資産運用するわけなので、元本割れするリスクは当然考える必要があります

まあ、レバレッジを掛けたようなハイリスク商品だけを購入しない限りは、そういうことになりにくいとは思います。

 

(5)医師はNISAとiDeCo、どっちを優先すべきなのか?

この疑問は皆さんお持ちなのではないでしょうか?

どっちの方がオトクなのか?どっちから始めた方が良いのか?

 

結論から言うと、「医師なら、どっちも早く始めた方がいい」です。

まず、NISAもiDeCoも高収入であるほど優遇を受けやすい制度になっています。

例えば、勤務医がつみたてNISAとiDeCoを満額掛けたとしても、必要金額はたかだか年67.6万円で、その全額が非課税となり、さらに27.6万円分の所得控除も受けられます

 

違いを強いて言えば、

NISAは株式投資を積極的にやっていく人用

iDeCoは老後資金をしっかり貯めておきたい人用

と言えます。

 

(6)iDeCoでの購入オススメ商品

これはどういう考えの下で利用するかで購入商品が変わってくるかと思います。

僕の場合は資産運用は全て楽天証券で購入していますが、NISAと株式投資は現在「eMAXIS 全米株式S&P 500」に全振りしているため、iDeCoは「楽天全世界株バンガード楽天DC」に100%投資しています。

昨年末から始めたばかりで10万円も掛けていないので、まだあまり収支は動いていませんが、それでも2万円以上の運用益が出ています。

また、12月に一気に27.6万円を支払う予定です。

正直長期保有するしかない商品なので、毎月2.3万円ずつ買った方がよりリスク分散できますが、昨年一気に12月に支払うことにして、購入金額の変更届の提出はなかなかに面倒な作業なので、そのまま12月一括支払いとしています。

30年以上保有するものなので、そこまで変化はないと思います。

 

dr-fire.hatenablog.jp

この記事でも書きましたが、株式投資では全米:先進国:新興国=30:10:10で分散予定です。

iDeCoの全世界株もこれら全て含んでいるので、iDeCo自体はそこまで分散の役割は果たせていませんが、全世界株用の投資枠として利用していこうと思います