【第25回】FIRE~最強の早期リタイア術~を読んで
こんにちは、Dr. KKです。
今回はFIRE界隈ではバイブルとされている本書をご紹介したいと思います。
なおFIRE関連の書籍のため、僕の予定と照らし合わせながら見ていきたいと思います。
(1)基本情報
まずはいつも通り著者の紹介から。
今回は2人の著者がいるので、それぞれ本書から引用します。
① クリスティー・シェン
FIREムーブメントの第一人者。早期退職者。FIREにまつわる情報を集めたサイト『MILLENNIAL REVOLUTION』を運営している。ニューヨーク・タイムスやカナダ放送協会、ハフポスト、CNBC、ビジネスインサイダー、ヤフーファイナンスなど、様々なメディアで取り上げられている。CBCにて取り上げられたビデオは口コミで広がり、450万を超える視聴数を得た。2019年放送のFIREムーブメントを扱ったドキュメンタリービデオ『Playing with FIRE』にも出演。
② ブライス・リャン
つまり、2人は既にFIREを達成した夫婦ということです。羨ましい!
クリスティーが31歳の時に100万ドルの資産を作り、2人でFIREしたそうです。
そして、世界旅行を楽しみながら年4万ドルの範囲内で生活しているようです。
世界を放浪しながら生活していくなんて、すごく刺激的な人生ですね!
(2)要約
本書ではFIREを達成するための手順を、自身の苦い経験に基づいて具体的に説明していおり、「経済的自由により、精神的余裕を手に入れられる」と述べています。
資産形成を行う術として、重要度の順に
① 支出を減らす
② 投資を行う
③ 収入を増やす
の3つを挙げていますが、本書では① 支出を減らすが最優先事項としており、最も実現しやすい部分としています。
また資産形成の法則として、これまでの記事でも書いたような4%ルールや、インデックス株と債券の割合を調整する現代ポートフォリオ理論、より経済的自由を安定化させるための現金クッションやバケツシステムという方法が記されています。
本書の最後に、
「お金持ちになるカギは、自分に最も合ったやり方で選ぶこと」と述べています。
まずはFIREを達成する手段を知り、どの方法が自分に合うかどうか検証することが重要となります。
(3)「収入→支出→投資」ではなく「支出→投資→収入」
① 支出を減らす
まず前提として、FIRE達成に最も重要な部分は「収入を上げること」ではなく、「支出をしっかり管理すること」としています。
医師は高収入なので一見FIREはいつでも可能のように思われますが、手取りが2,000万円でも毎年1,800万円も使っていれば、たった200万円しか毎年貯蓄できないため、5,000万円貯めるのに実に25年もかかってしまいます。
また、1,800万円を投資で全て賄うとなると7億円以上が必要になるため、正直現実的ではないと思います。
支出が年1,800万円もかかっているようでは、正直サイドFIREも厳しいと思います。
まずは大きな支出を見直すことがFIREへの第一歩になります。
本書では、借金しない事・賃貸に住む事・外食や交際費を減らす事・必要以上の保険料や手数料などが挙げられています。
この記事では、僕自身がサイドFIREを目指す上でカットした支出を載せています。
僕の場合は、年間支出を平均800万円で計算しています。
完全リタイアするのであれば、2億円程度の資産運用と4,000万円程度の現金クッション(後述)が必要です。
現時点の計画では、2030年度に1億円を突破する予定です。
また順調にいけば2045年度あたりで2.4億円近くに到達してくれるのではないかと期待しています。
となると、やはり完全リタイアが可能となるのは50歳近くということでしょう。
著者のように、年400万円程度に切り詰めるのはなかなか難しそうです。
② 投資を行う
そして次点で投資への資産運用を考えます。
「収入から支出を行い、残ったお金で投資しよう」
ではなかなか定額投資は難しいかと思います。
先取り貯金のように、毎月生活費として使ってしまう前に先取り投資しましょう。
僕の場合は、現在月28.3万円ずつ定額投資しています。
妻の意向で「現金は1,000万円を維持したい」ようですが、来年度までに1,400万円近くが現金となる予定のため、来年度は月40万円近くの定額投資とする予定です。
③ 収入を増やす
最後に収入アップを目指します。
僕の場合、FIREやサイドFIREを目指すので、将来の開業や病院経営は考えていません。
となると、医師にとっての収入アップの選択肢は以下の3つだと思います。
① より高収入な病院に転職する
② 非常勤やスポット勤務を追加する
③ 副業による収入を増やす
しかしサイドFIREをする上で、①や②を目指すのは矛盾しています。
よって今後収入を増やすためには、③ 副業による収入アップを目指すことになると思います。
ただ僕としては、収入を増やすために無理して副業をしたくないので、
「趣味が副業になれば良いな」
くらいの感覚で自分に合った副業を探してみようと思います。
(4)現代ポートフォリオ理論
要するに、株式と債券の割合を自身の生活状況(年齢、支出、収入など)と照らし合わせて、自分に合った割合に適宜調整(リバランシングと言います)を行う、ということです。
有名な指標として、「株式:債券=年齢:100-年齢」というものがあります。
例えば、30歳であれば株式:債券=30:70、50歳であれば株式:債券=50:50
になります。
この辺りは、「FIRE~最速で経済的自立を実現する方法~」と同様の考え方と捉えて良さそうです。
僕の意見として、「自身の将来像によって最適な比率は変わってくる」と思います。
医師としてサイドFIREを目指すのであれば、「株式:債券=年齢:100-年齢」よりもっとリスクを負えると思います。
それこそ「株式:債券=年齢:130-年齢」くらいでも良いのではないかと思っています。
僕の場合、サイドFIREするまでは株式100%でサイドFIREする予定です。
自身の生活が破綻しない程度の範囲内で資産運用するのが鉄則なので、正直医師であればサイドFIRE後の収入で生活費が賄えるため、どんどん株式に回して良いと思います。
完全リタイアを考えていく際は必ず債券を組み込んでいく必要があります。
完全リタイア時には債券=30〜40%で落ち着きそうかなと思っています。
(5)現金クッションとバケツシステム
資産運用が目標金額に到達した場合、4%ルールを遵守すれば95%で30年以上生活できますが、より安定性を増すために本書では「現金クッション」と「バケツシステム」を推奨しています。
前者は、要するに「年間生活費の5年分を現金で貯蓄しておく事」です。
過去の経済指標を見てみると、どんなに不況になっても2〜3年で危機を脱してきました。
リーマンショックやコロナショックでも数年で回復したのです。
その数年間で運用資産に手をつけなければ、完全に保持された状態の運用資産で再度生活できるという事です。
そのために、少なくとも3年分、できれば5年分の年間生活費を準備しておくという事です。
僕の場合は、現時点で1.5年分程度の現金貯蓄となっています。
2030年にサイドFIREする際の現金クッションは、約3年分を予定しています。
後者は、要するに「投資資産・生活費・貯金の3か所で資産を管理していく」という事です。
貯金はあくまで現金クッションとなるため、生活費と貯金を別個の財布で管理すべきだそうです。
生活費は運用資産の4%をおろし、生活費用の財布で管理するそうです。
僕も現時点では同じ財布で管理しているため、サイドFIREに移行する際には分けて管理していこうと思います。
(6)感想
いかがでしょうか?
これまでの記事で紹介した内容にかなり重複している部分がありました。
つまり、「FIREに向けた考え方や動き方には共通点がある」という事です。
今後も、FIRE関連の書籍をご紹介していけたらと思います。